ジムニー専門店 タカノモータース

ジムニー専門店といったらここ!長野県岡谷市で創業50年。スズキ車の車検・整備・販売を行っております。その中でジムニー整備を得意としております。車検は勿論、カスタムや構造変更など車に関するあらゆるご相談をお受けします。

2ストについて

初代LJ10からSJ30まで搭載されていた2ストエンジンのジムニー。
2ストにはなぜか特別な思い入れがあります。

小学生のころ、先代社長だった父親の運転する黄色の(多分LJ20型)で近くの諏訪湖にドライブに。今では考えられませんが何を思ったのか、そのままジムニーで湖に向かってダイブ。タイヤ半分くらい湖に浸かっていたと思います。その時の衝撃が凄すぎてジムニーという車が好きになったように思います。
学生時代には勉強そっちのけでバイトに励み、ためたお金で中型二輪免許を取得。そして初めて手にしたスズキ・RG-ガンマ250の中古バイク。2ストの強烈な加速やフィーリング、オイルの焼ける匂いに心奪われ2スト好きに。何台かバイクに乗りましたが、ほとんどが2ストモデルでした。現在は4ストのホンダ・クロスカブ110を軽くカスタムして所有しています。


今から10数年前になりますが、私のもとにやってきた昭和56年式のSJ30のオリーブドラブグリーンの初期型。様々なカスタムの実験台として壊しては修理しての繰り返し・・・。何度エンジンを開けたことでしょう(笑)。
2回の構造変更申請し、公認改造車のSJ30改にアップデート。
現在も参丸号の愛称でデモカーとして活躍してくれています。

■デモカーSJ30改(参丸号)のカスタマイズご紹介
エンジン系
・ピストン、ピストンリング等交換による腰上のオーバーホール
・シリンダー吸気・排気ポート加工&クロスハッチ研磨
・シリンダーヘッド(面研なし) 面研して圧縮比を上げるとトルクやパンチが出ますが、高回転があまり回らないフィーリングに。現在はノーマルヘッドです
・2ストオイル いろいろ試しましたがスズキ純正CCISスーパー02を
入れてます。走行会や遠征があるとスーパーゾイル2スト用トリートメントをオイルタンクに投入します。
・純正オイルポンプ ワイヤーの遊びを極力詰めて調整しています。廃盤になってしまいましたが、寒冷地用のオイルポンプはオイルの排出量が多いようです。
・ワコーズF-1 キャブを汚したくないのでたまにワコーズの燃料添加剤を投入。以前に比べ汚れなくなったので効果あります。

冷却系
・リビルトラジエター&標準サーモスタット 
以前は寒冷地仕様のサーモスタットの番手(88℃オープン)でしたが、冬季は乗らないのと水温が上がり気味のため標準(82℃でオープン95℃全開)にしています。メーター針センターで安定しています。
吸気系
・社外ファンネルチャンバーエアクリBOX加工 むき出しタイプのフィルターはトルクがなくなりますので純正のボックス仕様にしています。

・社外エアクリフィルター

排気系
・社外ステンレス製EXマニホールド
・社外スチール製チャンバー・マフラー

キャブレター
・純正日立製シングルキャブレター

・パワージェット拡大加工 このジェットの加工でパワーが安定するようになりました。(純正80→120) 以前は100でしたが現在120にしています。
・社外加速ポンプ 先日「パワー感がないな?」と感じキャブを眺めたら、振動か何かでポンプのリンクが外れていました。エンジン焼き付き起こすとこでした。点検は大事ですね。
・メイン(M)、エアジェット(A)変更、フロート調整  吸排気系の関係で番手を変えています。(純正M127→135 / 純正A110→140)
・リードバルブ純正

・アイドリング調整 シーズンに入る頃、スロージェットのクリーニングとアイドリング調整すればそのシーズンは安定しています。チョークでエンジン始動して暖まれば、かぶることなく何時間でもアイドリングしています。
(2ストは長いアイドリングはあまり良くないですけどね)



★メインジェットはあまり上げずに、ポンプ(パワー)ジェットを大きめに加工。加速ポンプが展開する領域から燃料を多めに流し込むセッティングです。燃料が多くて壊れることは少ないのでマージンを取って少し濃いめです。


以前の薄目のセッティング時のエンジンフィーリングは良かったです。
チャンバーから響く乾いた2ストサウンド、高回転までどこまでも伸びていく感覚は、これぞ2ストと言わんばかりで最高でした。
「ほんとに40年前の車なの?笑」なんて調子に乗っていました。
水温も上がり気味で案の定3番ピストンが溶けて穴が開きましたがピストンには抱きつきの傷もなくカーボンの付着は皆無でした。
エンジンのコンディションや水温、点火の状態など絡んできますが燃料が一部燃焼室の冷却もしているので一般的に燃料が薄いとこんな感じにブローしてしまいます。これは4ストも同じです。


※キャブのセッティングはとてもシビアです。ジェット類は個体の仕様により変わりますので参考数値として見てください。

電気・点火系
・ポイントレス仕様に変更 ポイントギャップの調整不要でメンテナンスフリーになりました。後期のフルトラ式と同等の点火システムになりました。
・点火時期調整 点火時期を早めたりハイオクガソリン入れたりしましたが、参丸号は純正の基準値が良い感じです。水温も安定しました。
・社外プラグコード&社外コイル デスビキャップ&ロータ、プラグコードはトラブル防止のため2年ごとくらいに消耗品と割り切って交換しています。
・純正プラグ 綺麗に焼けていますので1~2年毎に交換しています。チェックと清掃は比較的頻繁にしています。 点火系を強化してあるので後期フルトラ型指定のBPR6HS-10です。ロータリーエンジンなどで使う沿面プラグ(ワッシャなどで燃焼室までの長さを合わせる必要があります)も調子よかったですが、不調になった時の原因追及が難しくなるのでイリジュウムなどではなく純正ノーマルの番手です。
・セルモーターリレー配線 セル回した時カチカチ言って始動困難なカチカチ病を発症したので5年以上前に装着。

・電磁燃料ポンプ 以前は追加で燃料フィルターを付けていましたが現在は付けていません。その代わり純正の燃料フィルターは2年ごと交換しています。
・アースケーブル増設 

・駆動系・タイヤ・ブレーキ系
JA71型フロント、リヤデフへコンバート 6.50タイヤで低速走行できるよう減速比の低いJA71のファイナルギヤ前後を使用。
・JA71型ベース改造5速ミッション ファイナルを下げた分5速化にして高速域のバランスとりました。

・リヤデフロック トラクションは向上してドリフトもできますが、ハンドルが重く、通常使用でもリヤタイヤの減りがかなり早くなります。
・ヨコハマジオランダーMT-G003 6.50-16
・SJ-30純正スチールホイール  4.5J-16
・純正トランスファー 
オイル漏れが発生しているので、オイルシール交換修理の予定です。
・ミッション~トランスファー間ペラシャヨークジョイント交換 ガタが大きくなったので交換。エンジン始動中常に回転しています。

このことからもミッション及び、トランスファーオイルのまめな交換の必要性を感じます。
・リヤトラクションショック デフロック装着によりリヤのバタつきを抑えます。

・JA71型フロントディスクブレーキ&フリーハブへコンバート 構造変更(公認改造)申請は、足回りの申請より大変でした。(構造変更2回目)
駆動系各オイルは1~2年ごと交換しています。

ブレーキフルードは2年ごとの車検時に調整含めて交換しています。

足回り(構造変更1回目)
・社外リーフスプリング
・社外ロングショックアブソーバー
・前後可変シャックル


・社外バンプラバー
・シャックルブッシュチューニング 乗らずに保管していることが多いので定期的にばらしてブッシュにグリスアップしています。ヒビの入ったブッシュは迷わず交換しています。同時にピポットボルトの解放・増し締めしています。

プロテクター、ガード系
・フロント、リヤ溶接デフガード

・リーフスキッドガード

・トランスファーガード

・フロントデフホーシィング溶接ガード

・リヤピポットガード

・ボディーサイドシルハードカット

・ボディー前後コーナーガード

・フロントメンバーカット
・牽引フック
書き出してみると結構いじくりまわしてます。


参丸号はリアルオフローダーなのです。


このデモカー参丸号は40年前の個体になりますが、現代の交通状況に合わせて4速ミッションを5速化に改造、初期型のフロントドラムブレーキをディスクブレーキにコンバートなどなど。
一般道ではターボ勢と一緒に走れますし、高速道路は法定速度で巡行もできます。さすがに長い登坂道路はきついですけどね。(笑)
オフロードでは軽い車体にレスポンスの良い2ストエンジンのおかげでトライアルバイクのように走れます。パワーはありませんが(たった28PS)
他のジムニーでは味わえない感覚が好きです。原動機を含めて絶滅危惧種ですので、これからもしっかりメンテして大切に乗っていきたいです。
たまに無性に乗りたくなって軽く流すのですが、甲高い音とマフラーからの煙幕で、歩いてる人に二度見されることもあります(笑)

コロナ禍が早く収束してまたジムニーの仲間と一緒に走れる日が来ることを願っています。

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